海外FXはハイレバレッジをかけられたり、豪華なボーナスをタダでもらえたりなど、国内FX業者よりも有利に取引ができます。
しかし、海外FXトレードで利益を得た場合、税金はどうなるのでしょうか?実際、税金問題が気になってしまって海外FX業者の利用を戸惑う人も少なくありません。
そこでこの記事では、FXトレード歴16年のFXの窓口合同会社 編集部(編集長 黒木 巌)が、海外FXの税金や確定申告手順について分かりやすく解説していきます。
海外FXの税金と確定申告の対象者【会社員】
「海外FXで税金って、会社員でも払う必要があるの?」と疑問に思っている人も多いでしょう。
ここからは、海外FXで取引をする会社員向けに、一定の利益を超えた場合の税金・確定申告の対象条件について解説していきます。
- 海外FXの利益が一定額を超えると確定申告・納税の対象になる
- 海外FXで税金を払う必要がある会社員
それでは、順番に解説していきます。
海外FXの利益が一定額を超えると確定申告・納税の対象になる
- 1年間(1月1日から12月31日まで)の所得と、それにかかる所得税を計算した上で税務省に申告する
- 申告期間は原則翌年2月16日から3月15日まで
- 万が一、利益が出ているにもかかわらず確定申告・納税がなされない場合は、脱税として扱われる
確定申告とは1年間(1月1日から12月31日まで)の所得と、それにかかる所得税を計算した上で、税務省に申告する手続きのことです。
会社員だけに限らず、海外FXで大きな利益を出すと、確定申告をして利益分にかかる税金を支払わなければいけません。
海外FXで税金を払う必要がある会社員
会社員の人は、基本的には勤務先が年末調整を行ってくれるため、確定申告を別途する必要はありません。
しかしながら、以下のいずれかの条件に当てはまる場合は、会社員であっても確定申告をする義務があります。
- 主たる給与以外の給与が年間20万円を超える人
- 年間給与額が2,000万円を超える人
- 2ヵ所以上から給与の支払いを受けている人
つまり、海外FXにおいても同じで利益の合計が年間20万円を超える会社員は、①の「主たる給与以外の給与が年間20万円を超える人」に該当するため、確定申告を行う義務があると分かります。
また、収入のある自営業・専業主婦の人は一般的に確定申告が必要ですが、年間所得が38万円を超えなければ確定申告は不要です。
海外FXと国内FXは税金の課税制度が大きく異なる
「海外FXと国内FXは課税制度にどんな違いがあるの?」と気になる人は多いでしょう。
結論から言うと、海外FXと国内FXの課税制度は以下のように大きく異なります。
- 海外FXと国内FXは課税区分が異なる
- 海外FXと国内FXは税率が異なる
- 海外FXと国内FXは損益通算が異なる
それでは、順番に解説していきます。
海外FXと国内FXは税金の課税区分が異なる
最初に、課税区分についての違いを説明していきます。
以下のように、海外FXには総合課税の仕組みが適用され、国内FXには申告分離課税の仕組みが適用されます。
海外FX | 総合課税 |
国内FX | 申告分離課税 |
課税区分には以下の3種類の仕組みが存在します。
- 総合課税
-
納税者の他の所得(給与所得など)を合算し、合算額に応じた課税所得を計算する仕組みのこと。
- 申告分離課税
-
FXでの所得などを、他の所得と分離して課税所得を計算する仕組みのこと。
- 源泉分離課税
-
他の所得と分離する所得のうち、所得を支払う人が納税者の代わりに税金を徴収し納める仕組みのこと。(預貯金の利子など)
また、総合課税と申告分離課税はいずれも所得の区分が雑所得であり、確定申告必須であることが共通点として挙げられます。
雑所得とは、「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得」のことを表します。
海外FXと国内FXは税金の課税率が異なる
続いて、税率の違いについて解説していきます。
海外FX | 累進課税制度による超過累進税率を適用 |
国内FX | 一律20.315%の税率を適用 |
所得が多くなればなるほど課税される税率が高くなるのが、超過累進税率(累進課税制度)の仕組みです。
一方で、国内FXは一律20.315%の税率が適用されるため、それぞれ税率が全く異なります。
累進課税とは下の表の通り所得に応じた段階で税率が適用される制度です。
課税される所得金額 | 所得税率(控除額) | 住民税 | 合計の税率 |
1,949,000円以下 | 5% (0円) | 10% | 15% |
1,950,000円から3,299,000円以下 | 10% (97,500円) | 10% | 20% |
3,300,000円から6,949,000円以下 | 20% (427,500円) | 10% | 30% |
6,950,000円から8,999,000円以下 | 23% (636,000円) | 10% | 33% |
9,000,000円から17,999,000円以下 | 33% (1,536,000円) | 10% | 43% |
18,000,000円から39,999,000円以下 | 40% (2,796,000円) | 10% | 50% |
40,000,000円以上 | 45% (4,796,000円) | 10% | 55% |
また、住民税も一律10%が適用されるので、海外FXを利用した場合の最大税率は55%となります。
それでは、実際に海外FXの所得金額が330万円を超えた場合について税率を比較しましょう。
- 海外FX
-
所得税率20%+住民税率10%=合計税率30%
- 国内FX
-
税率は所得にかかわらず一律20.315%(住民税率を含む)
以上から、海外FXは所得金額が330万円を超えると住民税を含めた税率が30%になり、国内FXを利用した時の20.315%より税率が高いと分かります。
逆に所得が195万円に満たない場合は税率15%なので、大きな利益が出ない限りは安心だと言えます。
- 海外FXは利益が出るほど税率が上がっていく
- 所得が低ければ海外FXの方が税率が低くなる
海外FXと国内FXは税金の損益通算が異なる
3つ目の違いは損益通算についてです。
損益通算とは、所得金額の計算において赤字である損失と黒字である利益を相殺(足し引き)した上で税金計算を行うことを言います。
海外FX及び国内FXによる損失は、給与所得など他の所得との損益通算ができませんが、以下の場合は例外として認められます。
- 同じ取引同士の場合
- 例:FX口座(国内OR海外)を2つ持っており、片方で50万円損失、もう片方で50万円の利益を得た場合など
海外FXと国内FXそれぞれで損益通算ができるケースも見てみましょう。
- 海外FX
-
- 同じ税区分(総合課税)かつ同じ所得区分(雑所得)の範囲と行う場合
- 例:仮想通貨、アフィリエイト、ブログ、転売・物販など
- 同じ税区分(総合課税)かつ同じ所得区分(雑所得)の範囲と行う場合
- 国内FX
-
- 先物取引に係る範囲と行う場合
- オプション取引に係る範囲と行う場合
また、取引で赤字が出た場合に国内FXは翌年以降3年間繰り越しが可能です。
- 翌年200万円の利益が出た場合、300万円の損失は利益により相殺されるため納税額は0円になる。
このように損失を繰り越すことによって、今後FXで大きな利益があった時に支払う税金額を相殺することができます。
FXにおける節税対策はいくつかありますが、損失繰越も一つの節税対策と言えます。
- 先物取引…将来の売買契約に関してあらかじめ期日と価格等を設定する取引
- 例:現時点で20万円の宝石を1年後に20万円で購入すると約束する(価格変動した場合も設定価格で購入)
- オプション取引…将来の権利取引に関してあらかじめ期日と価格等を設定する取引
- 例:○○株価(原資産)を1年後に3万円で買う権利を300円のオプション料で購入
課税方法の比較表【海外FX・国内FX】
海外FXと国内FXの課税方法の違いは、下の表の通り比較できます。
FX業者 | 海外FX | 国内FX |
所得の区分 | 雑所得 | 雑所得 |
課税の区分 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率 | 所得税率5%~45%・住民税率10% (累進課税制度) | 一律20.315% |
損益通算 | 一部可能 (海外FX同士・仮想通貨など) | 一部可能 (国内FX同士 先物取引・オプション取引) |
損失繰越 | 不可 | 3年間可繰り越しが可能 |
海外FXと国内FXの税区分は同じ雑所得ですが、そもそも税金に対する考え方が大きく異なっていることはあらかじめ知っておきましょう。
海外FXで税金が発生するタイミング
ここまで海外FXの課税方法について解説してきましたが、実際に海外FXの税金はどんなタイミングで発生するのでしょうか?
- 海外FXの税金は年間所得(利益−経費)が確定した時点で対象となる
- 「キャッシュバック」サービスで得たボーナスも課税対象となる
それでは、順番に解説していきます。
海外FXの税金は年間所得(利益−経費)が確定した時点で対象となる
「海外FXで稼ぎ始めたけど、いつ、どんなタイミングから税金が発生するの?」と不安な人にお伝えします。
実際に海外FXの税金を払う必要があるかどうか確定するのは、年末の12月31日です。
1月1日から12月31日までの1年間の間で、海外FXにおいていくら利益が出たかにより確定申告の上で課税対象となる所得が確定し、一定額以上あれば課税の対象になります。
つまり、海外FXで出した利益から損失と海外FXに関する必要経費を差し引いたものが「所得」となり、確定申告上で課税分の所得が計算されることになります。
また、合わせて知っておきたいのは「利益が出る=ポジションを決済している」ということです。
海外FXにおいてポジションを持っている限りは、年を越した場合でも損益が確定されず課税対象にならないことも頭に入れておきましょう。
- 売上(海外FXの利益)−必要経費=海外FX所得
- ポジション…通貨を「買っている」OR「売っている」状態のこと
「キャッシュバック」サービスで得たボーナスも課税対象となる
ここで一つ注意があります。
海外FXにおいて課税の対象になるものは、売買・トレードによる収入に加えて「キャッシュバック」サービスで得たボーナスも含まれます。
キャッシュバックとは、海外FXのトレードを行う際にコスト(スプレッドなど)の一部がボーナスとして還元されることを言います。
ちなみに、海外FXにおける「キャッシュバック」サービスは大きく分けて以下の2種類です。
- 海外FX業者が独自で行なっている「キャッシュバック」サービス
- 海外FXのキャッシュバック業者が行なっている「キャッシュバック」サービス
また、キャッシュバックで得たボーナスには実際に現金として出金できるものもあり、これも漏れなく売上として計上する必要があります。
年内に決済した取引をもとにして海外FXの所得は計算される
海外FXにおける税金の計算方法と必要経費にできるもの
「海外FXの税金はどうやって計算するの?」「節税のために経費にできるものが知りたい!」と思っている人に向けて、海外FXの税金計算方法と必要経費にできるものについて紹介していきます。
- 海外FX所得の課税対象額を計算する公式
- 税金計算の上で必要経費として算入可能なもの
それぞれ順番に解説していきます。
海外FX所得の課税対象額を計算する公式
売上(海外FXの利益)−必要経費=課税対象額
海外FXにおいて一定額以上の利益が出ると課税されることはお伝えしましたが、実際は利益額から海外FXトレードで必要とした経費を差し引くことが可能です。
課税対象となるのは利益全てではなく、必要経費を差し引いたもの
税金計算の上で必要経費として算入可能なもの
それでは、実際に海外FXにおける税金計算で必要経費として算入が可能なものには、どんなものがあるのでしょうか?
例として挙げられるのは以下の通りです。
- FXに関するセミナーに参加するための交通費・費用
- FXに関する勉強用の書籍や雑誌代
- VPSやFXの自動売買ソフトの購入費用
海外FXの取引をする上で、多くのトレーダーが利用するものとしてFXの自動売買ソフト(EA)がありますが、FXに関するソフトやサーバー(VPSなど)の購入費用は必要経費として算入可能です。
また、海外FXについて学習した勉強用の書籍や雑誌の費用、FXに関するセミナーに係る費用(交通費含む)なども必要経費として算入できます。
このように、必要経費の申告については基本的には自己判断で行っていただくことになります。
上記はあくまでも一部の例であり、他にも必要経費として算入できる可能性が高いものはあるでしょう。しかし、必要かどうかを判断するのは税務署であり、場合によっては経費として認められないこともあるので極端な経費計上は避けましょう。
必要経費として計上することで支払う税金負担は軽くなりますので、漏れなく算入することをおすすめします。
海外FXにおける年間取引報告書の入手方法
海外FX業者の口座から利益を出して確定申告をする時には、年間取引報告書が必要不可欠です。
年間取引報告書を入手すると、確定申告で必要な海外FXの損益額を書面で確認できます。
それでは、実際に年間取引報告書を手に入れるにはどうすればいいのでしょうか。
- MT4で取引報告書を入手する方法
- MT5で取引報告書を入手する方法
この記事では、海外FXの取引プラットフォームのうち世界で最も採用されているMT4とMT5を例に挙げ、それぞれ順番に解説していきます。
MT4で取引報告書を入手する方法
最初に、MT4(MetaTrader4)を使用した入手方法を紹介していきます。
まずは、MT4を起動させましょう。
- ターミナル最下部のメニューから「口座履歴」タブを選択する
- 当日の取引履歴または「損益系:0」と表示があるのを確認する
- 「口座履歴」ウィンドウの中で右クリックをする
- ポップアップの「期間のカスタム設定」を選択する
- 「開始」は1月1日、「終了」は12月31に設定しOKを選択する
- 設定した期間内の取引履歴が表示されるので内容を確認する
- 「口座履歴」ウィンドウ内で右クリックする
- ポップアップの「レポートの保存」を選択する
MT4で取引報告書を入手する流れは以上です。
MT5で取引報告書を入手する方法
次に、MT5(MetaTrader5)を使用した入手方法を紹介していきます。
MT5を起動させましょう。
- ターミナル最下部のメニューから「口座履歴」タブを選択する
- 当日の取引履歴または「損益系:0」と表示があるのを確認する
- 「口座履歴」ウィンドウの中で右クリックをする
- ポップアップの「期間設定」を選択する
- 「始点」は1月1日、「終点」は12月31に設定しOKを選択する
- 設定した期間内の取引履歴が表示されるので内容を確認する
- 「口座履歴」ウィンドウ内で右クリックする
- ポップアップの「レポートの保存」を選択する
- 「Open XML」を選択する
「Open XML」を選択することで、XMLファイルの形式で取引報告書をダウンロードすることができます。
MT5で取引報告書を入手する流れは以上です。
海外FXを利用した場合の確定申告の方法
それでは、海外FXの確定申告の方法について、確定申告の基本も含め具体的に解説していきます。
- 確定申告ができる期間
- 確定申告の種類【白色申告・青色申告】
- 確定申告に必要な書類
- 確定申告の手順
それぞれ順番に解説していきます。
確定申告ができる期間
前提として、確定申告は翌年の2月16日から3月15日までの期間に前年度分(1月1日から12月31日まで)の損益を申告しなければいけません。
必要書類の準備にも時間を要しますので、早めに取りかかることが大切です。
確定申告の種類【白色申告・青色申告】
確定申告には白色申告と青色申告の2種類が存在します。
項目 | 白色申告 | 青色申告 |
対象者 | 全員 | 事業を営んでいる人、不動産 |
控除金額 | 0円 | 55万円 |
一般的なものが白色申告であり、手続きも難しくありません。
白色申告は青色申告に認められる控除はありませんが、会計について知識がない人でも比較的簡単に帳簿の作成ができます。
青色申告は事業を営んでいる人が行うもので、損益計算書といった決算書類が必要で少し難易度が高い印象です。
しかしながら、青色申告者に対しては特典として青色申告特別控除55万円の適用が認められます。
控除が適用されることから、青色申告の方が節税の面では有利と言えます。
確定申告に必要な書類
確定申告に必要な書類のうち、特に必須とされているものは以下の通りです。
- 年間取引報告書など、年間の収支が分かる資料
- 各種控除証明書(社会保険料・医療費・住宅ローンなど)
- 本人確認書類
- マイナンバーカード(または通知カード)
- 源泉徴収票(会社員など給与所得のある人のみ)
また、提出の必要はありませんが、必要経費の領収書なども手元に用意しておきましょう。
これらの書類が、確定申告書に必要事項を記入する上で必要なものです。
確定申告の手順
確定申告を行う場合には、以下の4通りの方法があります。
- マネーフォワードなどの確定申告ソフトを使い結果を提出する
- 国税庁の確定申告書作成コーナーで必要事項を入力し、結果を提出する
- 税務署や確定申告の特設会場に出向き、現地で確定申告書を作成、印刷し提出する
- e-Tax(イータックス)を利用し、自身のパソコン上で必要事項を入力しオンラインで提出する
「自力で確定申告をする自信がない」「作成するのは面倒くさい」と思っている人は、税理士に作成を依頼することもできるので安心です。
また、納税方法は以下の通りいくつかあるので、最も都合が良い方法を選択することをおすすめします。
- 銀行口座引き落とし
- クレジットカードによる納付
- インターネットバンキングで納付
- コンビニエンスストアで納付
- 金融機関や税務署の窓口で現金として納付
確定申告を行うことで実際に納税すべき金額が分かるので、無理のない範囲で確実に行うようにしましょう!
海外FXは雑所得に分類されるため、雑所得部分に収支を記入する必要があります。
海外FXにおける税金の試算【給与400万円】
この記事では、会社員であるサラリーマンの年収を400万円と想定し、海外FXの税金についてケースごとに実際に試算をしながら解説していきます。
なお、あくまでも想定上の試算ですので参考程度にご覧ください。
- 給与400万円で海外FX所得が50万円だった場合
- 給与400万円で海外FX所得が100万円だった場合
- 給与400万円で海外FX所得が400万円だった場合
- 給与400万円で海外FX所得が1,000万円だった場合
それでは、順番に解説していきます。
給与400万円で海外FX所得が50万円だった場合
所得税 | 約900,000円 (450万円×20%) |
控除額 | ▲427,500 |
住民税 | 約450,000円 (450万円×10%) |
復興特別所得税 | 約9,900円 |
税金額の合計 (参考) | 約932,400円 |
サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が50万円であった場合、税金額は約93万円となります。
給与400万円で海外FX所得が100万円だった場合
所得税 | 約1,000,000円 (500万円×20%) |
控除額 | ▲427,500円 |
住民税 | 約500,000円 (500万円×10%) |
復興特別所得税 | 約12,000円 |
税金額の合計 (参考) | 約1,084,500円 |
サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が100万円であった場合、税金額は約108万円となります。
給与400万円で海外FX所得が400万円だった場合
所得税 | 約1,840,000円 (800万円×23%) |
控除額 | ▲636,000 |
住民税 | 約800,000円 (800万円×10%) |
復興特別所得税 | 約25,000円 |
税金額の合計 (参考) | 約2,029,000円 |
サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が400万円であった場合、税金額は約203万円となります。
給与400万円で海外FX所得が1,000万円だった場合
所得税 | 約4,620,000円 (1,400万円×33%) |
控除額 | ▲1,536,000円 |
住民税 | 約1,400,000円 (1,400万円×10%) |
復興特別所得税 | 約65,000円 |
税金額の合計 (参考) | 約4,549,000円 |
サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が1,000万円であった場合、税金額は約455万円となります。
海外FXの税金と支払いに関する注意点
「海外FXの税金には抜け道があるの?」「勤務先に知られない対策が知りたい!」といった悩みを持つ人に向けて、この記事では海外FXの税金と支払いに関する注意点を解説していきます。
- 海外FXの税金には抜け道がなく、脱税はバレてしまう
- 海外FXの税金はある対策を取れば会社に知られることがない
- 海外FXにおけるボーナスは税金計算の対象外である
それぞれ順番に解説していきます。
海外FXの税金には抜け道がなく、脱税はバレてしまう
海外FXは稼げば稼ぐほど税金が高くなる仕組みなので、「抜け道があるのでは?」と思っている人も少なくないでしょう。
結論から言うと、海外FXの税金には抜け道はなく、万が一脱税をするとバレてしまいます。
その理由は以下の通りです。
- 海外FX業者とのやりとり内容(入出金履歴等)が金融機関に全て残っている
- 高額の入出金があった場合は、国内銀行より「国外送金等調書」を介して税務署に通知される
- 「CRS(租税回避制度)」によって、国税庁は海外FXの利益に関する情報の取得ができる
どうしても海外FXで課される税金を抑えたい場合は、以下のように法人化や海外への移住を検討するのも一つの方法です。
- 個人トレーダーから法人化し、税率を低く抑える(最大税率は33%程度)
- キャピタルゲインに対し課税制度を設けていない国に移住する(シンガポールやドバイ等)
しかしながら、こういった方法は一定のコストがかかるため比較的稼げるようになってから要検討しましょう。
海外FXの税金はきちんと対策を取れば会社に知られることがない
会社にお勤めの人によっては、副業を禁止されているケースも多いでしょう。
結論から言うと、対策をしっかり取れば会社に知られず海外FXトレードを行うことは可能です。
対策内容は以下の通りです。
- 給料とは別に海外FXで取引して得た利益分の住民税を自分で納税する
※確定申告をする際は「自分で納付」を選択、住民税の納付方法は「普通徴収」を選択する
なお、自分で納税するには手間がかかるだけでなく、納税資金を手元に残しておく必要もあるので注意しましょう。
海外FXにおけるボーナスは税金計算の対象外である
最後にお伝えする注意点は、海外FXにおいて発生したボーナスは税金計算対象外であることです。
海外FXには口座開設などの特典としてボーナスが存在し、ボーナスを元手として取引をすることができます。
しかしながら、海外FXのボーナスは税金計算の対象外であり、確定申告などで税金額を計算する際は除外しなければいけません。
なぜならば、ボーナスは基本的に出金できない(現金としての価値を持たない)からです。
うっかり計算に含めてしまわないように気をつけましょう。
海外FXの税金を考える際によくある質問
それでは、海外FXの税金を考える際によくある質問とその回答について紹介していきます。
海外FXの税金まとめ
この記事では、多くの人が気になっている「海外FXの税金」について、国内FXとの課税方法の違いや確定申告の方法なども含め解説してきました。
海外FXを利用する人は、課税の仕組みの違いを理解した上で取引を行い、利益が一定額以上出た際は必ず確定申告を行うようにしましょう!